DJI社製のドローンで空撮業務を行っている方への情報になります。
情報は2017年5月現在のものです、法律・規制などは常に最新のものをチェックしてください。
この記事を読んで行動し発生したすべての事象の責任は一切負いかねますのでご了承ください。
法律・規制の範囲内で安全運航をしていきましょう!

こんなことありませんか?

空港や重要施設などの周辺での空撮を依頼されて、各機関に許可取りをしていざ飛ばそうとしたら法律・規制の範囲内にも関わらずDJI GOアプリに警告が出てモーターが起動しないなんて経験されたことありませんか?
これは、大きな空港周辺や重要施設周囲などDJIが定める飛行禁止区域(いわゆるNoFlyZone)では安全のため、モーターが始動しない仕様となっているからです。

こんな時、空撮業務をされている方々は以下のような対策を考えることでしょう。
①飛行禁止エリアの外から離陸してエリア内に進入すればいいでは?
②GPSオフにすればいいのでは?
③GPSが感知できないようにすればいいのでは?
④DJI以外のドローンを使えばいいじゃん
などなど

結果としては以下の通り。
①~③は基本NG。④はOKだと思いますが、今回はDJI社製ドローンを利用する方向けの記事なので省きます。

①飛行禁止エリアの外から離陸してエリア内に進入すればいいでは?
➡エリア内に進入した途端、強制着陸させられます。安全運航上、危険です。

②GPSオフにすればいいのでは?
➡GPSオフのATTIモードでも実際にはGPSによる姿勢制御がなくなるだけで、GPS自体は受信しているはず(?)なので私はモーターが作動しませんでした。

③GPSが感知できないようにすればいいのでは?
➡アルミホイルなどでGPSの部分を覆うなどをする方がいらっしゃいます。うまくいく可能性もありますが、アルミホイルを付けると改造になってしまうので別の規制の部分で問題になるでしょう。また、GPSが必要な時に使えないので安全運航上、とても危険です。

ということでどうすることもできなくて案件をお断りしなくてはならないという事態になってしまうことがあります。

NoFlyZoneで飛行を行うにはIndivisual Unlock申請を行う

こんな時どうすればいいのかというとすごく単純ですが
DJI本社へ英語でIndivisual Unlock(個別解除)の申請をすればいいのです。

申請はDJIの専用ページから行います。
申請がそのまま通れば5営業日以内に受理されてフライトできるようになります。私の場合は翌日には受理されました。

英語が不得意でも大丈夫です。申請さえ英語でできれば特に英語でのやり取りなどは発生しません。
このページを参考に頑張って作ってみてください。

Indivisual Unlock申請の前に

そのDJIの専用ページはこんなページです。
最初にいろいろ書いてありますが翻訳するとこんな感じです。しっかりと読んでください。(ほぼグーグル翻訳)

DJIは、すべてのユーザーと一般の人々が安全な空域環境を維持できるよう支援しています。
当社のジオフェンシング技術は、情報機能とデフォルトの運転制限を組み合わせて、お客様が慎重な飛行意思決定を行い、懸念を募る場所での不用意な飛行を防止します。
忙しい空港や発電所など、安全性やセキュリティ上の問題により制限された場所での作業は、お客様が特別な許可を得ている場合があることを理解しています。
私たちは、当社の技術の利点が十分に発揮されるように、認可された飛行を可能にするためにお客様と協力することに全力を尽くしています。
このページでは、DJI No Fly Zoneのカスタマイズされた「ロック解除」をリクエストすることができます。
開始する前にすべての手順をお読みになり、最良の結果を得るために事前に申請を提出してください。

提出する前に、次の点に注意してください。
1.カスタムロック解除機構は、ウェイポイントナビゲーションなどの特定の機能を無効にすることがあります。手動で飛行機を飛行させてください。
2.許可の形式:指定地域での飛行許可書を提出してください。そのような文書の例としては、認可証、国家航空局からの運転免許証または許可証、空港との合意書、運転のためにあなたを雇った施設からの声明などが含まれますが、これらに限定されません。
3.身分証明書:身分証明書を提出してください。そのような文書の例には、運転免許証、主要なクレジットカードの前部、国民身分証明書、学生証などが含まれるが、これらに限定されません。
4.フライトに備えて、機器ファームウェアとDJI GOアプリを最新バージョンにアップグレードしてください。
5.計画は事前に行ってください:我々は5営業日以内にあなたの要求を処理するよう努力します。あなたの要求の一部が不完全であるか欠落していると、遅延が生じます。

必要事項を埋めていく

では次に入力項目の説明です
①Please select model to unlock(個別解除を行う機体を選択して下さい)
・Inspire1シリーズ
・Phantom3シリーズ
・Matrice100
・Matrice600シリーズ
・A3
・N3
・Mavic Pro
・Phantom4
・Phantom4 Pro
・Inspire2
の中から選択してください。
(これ以外の機体は個別解除を適応できないっぽいです)

②地域を選択
Asiaを選択してください。

③国名
Japanを選択してくだい。

④Center-point of requested flight area
下の地図のサーチボックスに住所を入れて、マップでフライトエリアの中心点をクリックするとその緯度・経度が自動入力されます。

⑤Radius(km)
飛行経路の中心点からの半径をkmで入力してください。

⑥From to(飛行期間)
いつからいつまでの間に飛行するか入力してください。
期間は最大で3か月以内で申請してください。それ以上の申請が必要な場合は
Flysafe@dji.comまで連絡してくださいとのことです。

⑦氏名
名前を入力してください(英語で)

⑧姓名
苗字を入力してください(英語で)

⑨メールアドレス
メールアドレスを入力してください

⑩Organization(会社名・団体名)
会社名・団体名を入力してください。
個人の場合は「indivisual」と入力してください。

⑪Explanation of your authorization(あなたが持っている許可を説明してください)
ここにはその指定場所であなたが飛ばすことができるという許可の内容を詳しく箇条書きで説明してください。
ここでは空港や国土交通省からの許可、依頼主からの依頼内容などを書くと良いでしょう。

⑫Flight Controller Serial Number(フライトコントローラのシリアルナンバー)
フライトコントローラのシリアルナンバーを入力してください。
シリアルナンバーはDJI GOアプリ内の「General Settings」の「About」項目にあります。
これは「0」から始まるシリアルナンバーです。

⑬Attach documentation supporting your authorization and your personal or organization identification(あなたの許可を証明する資料とあなた自身を証明する資料を添付してください)
ここには空港や国土交通省からの許可書や、会社の名刺・運転免許書のコピーなどを添付すると良いでしょう。

⑭SUBMIT
最後にサブミットボタンを押しておしまいです!
サブミットボタンを押すと申請内容がコピーされてあなたのメールに届きますと書いてありますが僕はメールは来ませんでした笑。
心配だったのでFlysafe@dji.comに連絡すると「ちゃんと届いているよ!」との旨のメールが届き一安心しました。

申請が受理された後の個別解除の実行方法

申請が受理されて個別解除OKとなるとメールが届きます(確か)
受理された後、フライト前に下記のことを実行すると個別解除は成功です。
しっかり読んでください。

①まず初めに機体・フライトコントローラ両方を最新のファームウェアにアップグレードし、DJI GOアプリも最新版にしてください。
※2017年2月現在ではアンドロイド版DJI GOでは個別解除には対応していないとのことです。(DJI談)

②iOSデバイスでDJI GOアプリを起動して申請のあったDJIアカウントでログインしてください。

③インターネットアクセスがあることを確認した状態で画面右上(General Setting➡Unlimit Area)から個別解除ライセンスをダウンロードしてください。

④指定した区域に移動して飛行を有効にする時に、ライセンスをクリックして「ロック解除」に切り替えます。

以上の操作でいつも通りのフライトができると思います。

さいごに

ここまで長かったとは思いますが一度慣れてしまえば次回からは楽です♪
SixLights Visualは愛知県や東海地方を中心に空撮業務を行っていますが、もちろん日本全国の空撮業者様も申請していただけます。
私がこの記事を書いた理由は、何故かこのIndivisual Unlock申請に関する記事が日本語でひとつもない(見つけられない)からです。
他に安全かつ正式なやり方ご存知の方いらっしゃれば是非教えてください。
業務でDJI社製のドローンをお使いの皆さま、空港周辺などの飛行禁止エリアでの作業の際はGPS遮断などの危ない方法ではなく是非こちらのお試しください。

参考になれば幸いです。

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※内容に間違いなどがあればご指摘お願いいたします。

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